捕らぬ狸の皮算用

33歳独身女のテキトー人生を綴ります。

そんなのが成長してどうするんだ。

子宮内膜症

 

もちろん、家に帰ってから検索魔に。

どうやら子宮にしかできないはずの内膜が何かの原因で

子宮以外のあちこちにできてしまう病気らしい。

 

そして、おそらく私にできたのは、チョコレート嚢(のう)胞。

卵巣の中に袋(嚢胞)ができて、古くなった血が溜まっていく病気。

不妊症の原因の一つになったり、場合によっては悪性化すると

卵巣がんになったりするらしい。

 

嚢胞の中身がチョコレートみたいだから、そんな名前らしく。

なんだよ、そのメルヘンチックな名前。

全然かわいくない病気のくせに、名前だけフワフワしやがって。

しかも、何も治療しないでいると生理のたびに悪化していくらしい。

本当、勘弁してほしい。

 

周りの友達でも子宮内膜症になっていた人もいたけれど

もっと軽症で良くなったか、重症で即手術してしまったパターン。

同じチョコレート嚢胞の人はいなかった。

 

仕方なく、次の生理とともにヤーズというピルを飲んでみる。

でも、このピルがまた手足をピリピリさせる。

新しい派遣の仕事を始めたばかりだったので、何とか頑張って通勤してたけれど

生理で腹痛がひどい中の満員電車の片道2時間強はとってもしんどい。

せめて椅子に座りたい。。。

痛み止めを飲んでも効かない。痛すぎる。

時々腹痛で、仕事の指示をもらっているときに意識が遠のきそうになった。

 

いろいろなストレスが重なったせいなのか?

副作用のせいなのか?

生理が終わっても腹痛がおさまらない。

こんなことは初めて。

しかも、なんだか右下腹部だけでなく、左下腹部も痛い。

 

次回の予約まで耐えきれず、仕事を休んで病院に行くことにした。

「うーん、血栓症の副作用が怖いしヤーズやめてみるか」

「今日から飲むのやめてみて」

と、先生。

そんなにあっさり辞めてしまっていいのか…?

 

エコー検診すると、

「あー、5cmになっているね」

と、驚愕の言葉が先生から発せられる。

そんな2週間もたたずして1cmも大きくなるの?

胎児の成長ならうれしいけれど、嚢胞の成長って全然うれしくない!

 

最近、左も痛いんですよと伝えたところ、

「前には見つけられなかったけれど、左にも嚢胞があるね。ほら。

こっちはちょっと小さいかな」

と、先生が新発見と、エコー画像を見せてくれる。

またしても、混乱。

左卵巣まで嚢胞あるって!!

私の中では、余計混乱が増していった。

でも、ひとつ思ったのは、この先生を「先生」として信じていいのか

不安だってことだ。

 

「はい、これ写真ね」

先生がいつもの通りにエコー写真をくれた。

「次はディナゲストにしてみるかな?

ピル辞めたらすぐ生理くるからまた来週きてね」

でも私の中では、ほかの病院もみてみるべきか、紹介状を書いてもらおうかな、

と、考えていた。

何か聞いたことあるけれど、自分がなるとは思わなかった。

子宮内膜症ですね」

 

先生がいとも簡単に言ってくれた。

は??

頭が混乱した。

 

ここは、婦人科の診察室。

先生が白黒のエコー画面を見せながら、

(私の卵巣内を映し出しているらしい)

「ほら、ここに塊があるでしょう?」

「これがあるから痛いんだな」

と、私の混乱をよそに、どんどん話が進んでいく。

 

診察室に戻ったら、

先生がどこぞに出かけた時の記念写真のように

「はい、あげますから」

と、私の卵巣内にある塊のエコー写真をくれた。

正直、まったく嬉しくない上に、これ持ってて

どうにかなるの?という謎。

 

「右卵巣子宮内膜症ね」

「まずは4cmだし、ピルで様子見てみようか」

私の右卵巣の塊は、4cmらしい。

先生の話だと、5cm以上だと破裂したり(!)する可能性もあるから

手術の可能性も出てくるけれど、

まずは今は独身だしそこまで大きくないから

ピルでこれ以上大きくならないように様子を見てみようと言われた。

 

その日は年に1回やっている婦人科検診。

子宮頸がん検診ついでに、最近生理痛がいつも以上にひどいことと

痛すぎて救急外来に行ったけれど、CT検査したりしたのに原因不明で

点滴うたれて帰された話をしたら

念のためエコー検査することに。

そしたら、まさかの病気発覚…!!

今まで健康に33年生きてきたのに、こんなにひょんなことで

病気が見つかることがあるんだ、と驚く。

 

とりあえず、破裂する前に見つかってよかったのか?

でも救急で見てもらった時に激痛がしている箇所を伝えたのに

ただの生理痛扱いされたぞ?

毎年婦人科検診していたのに、何で大きくなってから見つかったんだ?

自問自答しながら、私は帰りの岐路についたのだった。